金沢の町家で工芸を楽しむ「工芸回廊」特集・前編

金沢を代表する観光スポット・ひがし茶屋街と主計町の町家に工芸作品を並べる「工芸回廊」が、10月19日から4日間の日程で開催されます。今年は33会場で実施し、60人以上の作家が参加します。工芸回廊の見どころや工芸の楽しみ方を聞こうと、コンテンツ監修の本山陽子さん(ガレリアポンテ)を訪ねました。本番を前に、イベントの魅力をお伝えしていきます!

 

▶︎工芸を“自分ごと”にできる工芸回廊

 

金沢ならではの町家空間で現代作家の作品を展示する工芸回廊。本山さんはこのイベントについて「作家と作品と出会う場所。コレクションする喜び、使う喜びを見出す機会です」と紹介します。

「工芸が後々認められるのは、買う人、所有する人、次の時代に伝える人がいるからこそ。現代に生きる私たちは、実はすごく大事な役割を担っている」と話す本山さん

 

美術館やギャラリーでの展示と比べると、町家は和の空間であったり、自然光や蛍光灯の下での展示だったりと、より住空間に近い環境にあるので作品を身近に感じることができるそうです。

 

そう、作品を「見る」だけでなく、「自分ごと」にできるのも工芸回廊の特徴のひとつ。会場にいる作家やギャラリストと気軽に交流しながら理解を深められ、気に入った作品は購入することも可能です。

「身銭を切るからこそ、真剣に作品を見るようになり、新しい見方ができてくる。作品を見て好きだと思い、買ってみて、実際に使うことで生まれるものがある」と本山さん。

たとえばお皿を一枚買ってみる。使うたびに、作家さんの顔や買ったお店、一緒にいた人を思い出すかもしれません。料理や盛り付けも、今までよりていねいにしてみるかもしれません。たとえ買わなくても、雑誌やウェブで作家さんを見かけたら、「この人知ってる!」という喜びもありそうです。

 

今年の工芸回廊は、伝統工芸の重鎮や中堅どころに加え、若手作家が多いそうです。美術大学や工芸の研修所などを修了し、作家としての第一歩を踏み出した面々が多数出展しているとのこと。工芸回廊は、買う人も、見る人も工芸のサポーター。お気に入りの作品や作家を見つけて「工芸タニマチ」になってみるのもよいかもしれません。

 

次回は「工芸回廊/工芸を楽しむコツ」をご紹介します。どうぞお楽しみに!